夜になるまえに

本の話をするところ。

気になる未邦訳作品第八回”The Skin and Its Girl”(著:Sarah Cypher、出版社:Ballantine Books)

 パレスチナにあるRummani家の故郷から遠く離れたパシフィック・ノースウェストの病院で、死産だった赤ん坊の心臓が動き出し、その肌は鮮やかなコバルトブルーに染まった。同じ日、ナブルスに何百年も前からあるRummani家の石鹸工場が空爆で破壊される。一族の女家長で彼らの知識の守り手であるNuhaおばさんは、Rummani家が極めて裕福な石鹸メーカーの一つであり、彼らの青い石鹸が伝説的な愛のシンボルだった時代に想いを馳せ、青い少女が一族の聖なる歴史の化身であると信じる。

 数十年後、BettyはNuhaおばさんの墓石の元に戻ってきた。彼女は難しい決断を迫られている。彼女が唯一知っている国に留まるべきか、それとも心に従って愛する女性を追い、一族の亡命のサイクルを続けるべきなのか? Bettyはその答えを、部分的に翻訳され、おばの複雑な人生とおば自身のセクシュアリティとの苦闘を明らかにするノートの中に見つける。それはNuhaが一族の米国への移住を助けるために隠したものだった。しかし、Bettyはすぐに発見することになる――おばが隠していたものはそれ以上のものだった。

 

 Sarah Cypherのデビュー作である。

 

 

出版社のページはこちら↓

www.penguinrandomhouse.com

 

前回の「気になる未邦訳作品」はこちら。

arimbaud.hatenablog.com